プレーヤーが2名しかいなくても、試合形式でダブルスの練習ができます

 ダブルスの試合が近づいているのに、2人しかいなくてダブルスの練習試合ができない。乱打練習をしているだけだとダラダラとした練習になってしまう。こんなときクロステニスが役に立ちます。クロスで打ち合うのがダブルスの基本であり、クロステニスは実際のダブルスのプレーとの互換性が高く、有意義な練習ができます。また試合であるため勝敗が決することから、真剣にプレーに取り組むことができます。決してダラダラとした練習にはなりません。
 またクロステニスは絶えずクロス方向の打ち合いとなるため、実際のダブルスをやったとき、ストレート方向にパスやロブを打つ自由度が増えることから、ダブルスのプレーが楽に感じられます。

ダブルスのように動きが複雑でないので、初心者に向いています

 初心者でゲームをした経験の少ない方は、従来のシングルスではコートが広すぎます。また従来のダブルスでは、フォーメーションであるとか、ボールに対して自分がどう動くかとかが複雑で、ボールをどこに打ち返すかの選択肢も多く、自分がどこにいてどこに打ち返していいのかわからなくなってしまいます。クロステニスは面積も狭く、プレーヤーも1対1での対戦のため単純で、初心者の方でも試合運びを理解しやすいです。
 ゲーム経験のない初心者の方は、クロステニスでゲームの感覚をつかんでから、従来のシングルス、ダブルスに進まれると試合運びをマスターしやすいのがよいのではないでしょうか。特にスクールの初心者クラスのレッスンにお勧めです。

ゲームをやりたいけどシングルスは体力的にちょっと、という方に

 ダブルスをやりたいのにメンツが足りない。ただ練習で打ち合っているだけというのも面白くないけど、シングルスをやるには体力的にちょっとという方。クロステニスであればプレーするコートの面積が狭いため、きついゲームになることはありません(やり方次第ですが)。またコートの面積が狭い分、対戦相手として性別や世代間の違いがあってもゲームを楽しむことができます。

クロステニスを通じてネットプレーのレベルアップ

 最近のテニスはパワーテニスが主流で、ストロークが中心となっています。このため、特にジュニア等で顕著なのですが、ストロークの技術向上に多くの時間が割かれ、ネットプレーの技術向上がおろそかになる傾向がみられます。
 クロステニスを経験していただっくとわかることなのですが、クロステニスではネットに詰めた方が圧倒的に有利となります。したがってクロステニスのゲームで勝つために、積極的にネットに詰めるように心がけることで、必然的にそれがネットプレーの向上につながります。
 クロステニスでネットに詰める感覚をつかむことにより、ストロークが得意で普段ダブルスは雁行陣という方も、ネットに詰めて平行陣をとるという戦術が選択肢の1つとなっていきます。

華麗なるネットプレー中心の試合を実現

 プロの世界でも現代はパワーテニスで、ストロークがゲーム組立ての中心となっています。それはそれですばらしいものですが、古き良き時代のマッケンローやエドバーグなどのような、芸術的なネットプレーを繰り広げる試合というのも魅力的なものでした。最近はそのような華麗なるネットプレー中心の試合を観る機会があまりありません。
 前項で述べている通り、クロステニスはネットに詰めた方がより試合を優位に展開できる形式です。そこで、もしもクロステニスが世界的にスタンダード化したならば、ネットプレーのスペシャリストであるプロが、華麗なるネットプレー中心の試合を披露してくれることでしょう。